大判例

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大阪地方裁判所 昭和40年(わ)2617号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕なお弁護人は、昭和三七年大阪府条例第四四号「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」第七条第二号の「売春類似行為をするため、公衆の目にふれるような方法で客引きをし、又は客待ちをすること」を処罰する旨の同条項並びに同条例第九条第二項は、地方自治法第一四条第一項、第五項の趣旨に反し、無効のもので、被告人の所為は罪とならない。即ち売春防止法制定以前は、全国各地方公共団体は、売春に関する諸行為を処罰する旨の諸条例を制定し、これを処罰していたものであるが、売春防止法の制定により、同法はこれら諸条例を統一したものと解される。しかして同法には売春目的の勧誘行為を処罰する旨の規定はあるが、売春類似行為目的の勧誘はこれを処罰する規定を設けておらず、結局処罰の対象外の行為であり若し右の行為を処罰しようとするならば、よろしく売春防止法を改正してなすべきで、大阪府条例のような一地方公共団体の条例をもつてなすべきでないことは、法秩序全体の趣旨からみても、地方自治法第一四条の解釈上も当然の帰結といわねばならない。このことは、売春防止法附則第四項に「地方公共団体の条例の規定で、売春又は売春の相手方となる行為、その他売春に関する行為を処罰する旨を定めているものは、第二章の規定の施行と同時にその効力を失うものとする」との規定の趣旨からも明らかである旨主張するが、売春防止法は、同法第一条に規定するように売春の防止を図ることを目的としてもつぱら売春に関する諸行為を処罰する旨を規定しているもので、同法第二条によれば「売春」とは対償を受け、又は受ける約束で、不特定の相手方と性交することをいうと定義している。結局売春防止法は、売春に関する諸行為についての規定であり、売春類似行為に関する諸行為については同法の関知するところではなく、弁護人主張のように売春類似行為目的の諸行為を処罰しない旨までを含むものではなく、又これを処罰するのは同法によつてのみなされるものと解すべきではない。

してみれば前記大阪府条例は地方自治法第一四条第一項、第五項に違反するものではなく、むしろ売春防止法の精神に則つた条例といわねばならず、弁護人の前記主張は売春防止法ならびに同法附則第四項の独自の解釈に基づくもので採用することができない。

よつて主文のとおり判決する。(高井清次)

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